え。なんでなんで。


「顔真っ赤なの‼?」


風邪‼?


志貴先輩の移ったの?


いや、志貴先輩が大好きなら別にそれは喜ばしいことだよね?


うん。だって志貴先輩の中にいた菌だし。


あたしだったら、ひゃっほーって言いながら学校休んでいるに違いないだろう。


「はるるん、死ぬな死ぬのではないぞ‼これで幸せに死ねるとか言うのではないぞっ」


必死に抱きついたままの体制で、はるるんを揺する。


意識をっ意識を戻すんだっ!


「はるるーーーーーーーーーーー……いひゃいいひゃいいひゃいいひゃい」


頬っぺたがっ!あたしの頬っぺたが!


ギロリと効果音が付くくらいあたしは彼を睨みあげる。


絶対五センチはのびた。


あたしの頬っぺたどう落とし前つけてくれるんだ。


「美沙ちゃん」


「……ハイ」


あまりにもはるるんの笑顔が黒すぎて、敬語になってしまった。


あたしなんかやらかした?


いやいや、何もしてないよ。


嘘です。


「すいませんでしたぁあああぁああああぁぁぁああぁあぁぁああああーーーーッ‼」


あたしは光のスピードで密着した体を離す。


うん、これが原因だ。


マジで原因だ。


アウティングアウトだ。