「俺ん家の前でコントするな恥ずかしい」
救世使シッキーン登場。
「サインください」
とノートとネームペンを彼に差し出す。
「……………………」
「サインが無理なら握手してください」
と左手を彼に差し出す。
「握手が無理なら、ハグしてください」
「…………………」
「…志貴。熱下がったー?」
「あぁ。もう平熱」
「直るの早ー。ってことで、ゲームしてっていー?」
「あぁ」
え。
「あたし無視‼?」
ここに倉條美沙がいます!
ハッ。
もしかして、
「宇宙人め、…あたしの恋を邪魔するというのか…」
「切実に通訳が欲しーね」
くそっ。
はるるんたちから見えないようにあたしを透明人間に改造したな宇宙人。
「表に出てこいこのクソ宇宙人っ!ミサリン戦士ミサミサが成敗してあげようぞフハハハハハフハヘヘヒハ」
「…ねぇもう笑い方も悲惨なんだけど。ネーミングセンスもない上に悲惨なんだけど。もう可哀想で見てらんないよー志貴ー」
「俺に言うな。さっさと入るぞ」
「らーじゃー」
「ちょぃいいいいいぃいいい‼乗ってあげたのに酷くない‼?」
本当に外に放置されそうだったので、あたしは志貴先輩とはるるんの腕をガシッと掴む。
はるるんと志貴先輩は面食らったような表情をし、いぶかしげにあたしを見る。
「あれ、ノリだったの?」
「え、そーじゃん」
「…マジで言ってると思ってたんだけど」
「んなわけないじゃん。ね、志貴先輩」
「……………………」
え。何で視線をそらすんですか。