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「はるるんっ、はるるんっ、あとちょっとだね!」
あまりの興奮気味に、白いフリルが揺れた。
「そーだねー」
彼はつまらなそうに、グレーの耳を弄る。
なんて奴だ。
確かに、これ言ったの10回目以上だけど、どんどん反応薄くなるのって酷くない‼?
心の中でフツフツと怒りを焚いていると、前の人が中に入って行き。
ついに、あたしとはるるんが先頭に君臨した。
「わぁああ!あと、もうちょっとだよ!はるるんっ!楽しみ過ぎるね!」
「そーだねー」
「どうしよう!楽しみすぎて、踊りたくなってきたっ」
「勝手に踊ってて」
「まだかな!まだかな!」
「多分、1分もないと思うよ」
「楽しみ過ぎるぅぅぅぅうううぅぅぅぅぅううううぅぅううううぅうぅううう!!!!」
「うん。美沙ちゃん、とにかく黙ろっか」
はるるんに鬱陶しがられるほど、あたしがキャッキャキャッキャしている理由。
それは、
「メイドさんと狼男さん、アリスの巨大迷路へようこそっ」
文化祭の午後。
はるるんと一緒にアリスの巨大迷路にレッツゴーだからである。