「まぁいいや。友達破棄は面倒だから明日に回そう。志貴ん家行くよ」


「うんっ。レッツゴー!」


あたしはまた高く高く天に拳を突き上げたのだった。







校門を出て、左に曲がり、大通りを直進し、3つ目の信号を右折し、2つ目の角を左折し、次の角を右折。少し直進してから、左に曲がる。そして住宅街が見えてきて。そこを右折。3つ目の角を左折。小さな公園を横切って、駐車場を横切る。そして、まっすぐ進んで、左折。


目の前に広がるオシャレな家。


「ここが志貴先輩の家ですか?」


徒歩40分。


「うん」


志貴先輩の家に着きましたっ!


「じゃねぇよ!はるるんさっ、何でこんなに遠道していくの‼?絶対最短距離で行ったら20分くらいで着くようなところだよね‼?」


はるるんはダルそうに、あたしを見る。


何そのもう体力無いみたいな雰囲気は。げっそりとした表情は。


「ストーカー対策ー」


彼は面倒そうに、そう呟く。


「ストーカーって、…あたしが退治しましょう‼……いひゃいいひゃいいひゃい」


「どの口が言ってんの。ストーカーは俺の目の前の奴なんだけど」


「しゅみましぇんでしふぁー。いひゃいいひゃいいひゃいいひゃいー(すみませんでしたー。痛い痛い痛い痛い)」


「はぁ?なんて?日本語喋って」


「あひゅまだろ!このきゅちく!ブャカ!ざんぬぇんヤホー!ぶゅーすっ!(悪魔だろ!この鬼畜!バーカ!残念ヤロー!ブースッ!)……………ってギャァアアアァァァ‼」


あたしの頬を掴む彼の手がもっと力が入る。


痛いんですけど!もう、涙出てきそうなんですけど!


女子扱いじゃないんですけど!どいつだコイツがプレイボーイとか言った奴は‼


「俺、ブスじゃないんだけどなー」


つっこむ所そこでしたっけ‼?


ウソぉおおおおーーーん。


てか、理解出来てたんじゃん‼


分かってんじゃん!