「まぁまぁあたしの天才的な脳の理解法は置いといて…いざっ志貴先輩の家へッ」


拳を天に突き上げて、あたしは駈けていく。


なんか青春ですね。アオハルですね。



「美沙ちゃーん。志貴ん家こっちー。真反対ー。戻ってきてー」



「……………………」


…あたしには青春は似合わないらしいようだ。


てくてくてく、とゆっくりはるるんの元に戻る。


校門でこれって恥ずかしくね‼?


なんか、道行く人、あたし見て笑ってる気がするんですけど!






やだー。あの子恥ずかしすぎジャーン

ホントよねー。はずかしー

なんか、あれよね。

あれって?

ピーマンみたいな顔してない?







「だから何で野菜‼?」


あたしはついつい、はるるんの隣に来たことろで叫んでしまった。


「………………」


「おほほほほ。ごめんあそばせ」


おほほほほ、と口に手を当てる。


はるるんるん。ちょっと視線が痛いですわ。


おほほほほ。


あ、このお口チャンのせいか。


もう、このお口ったら。


「お喋りさんねぇ♡やだ照ーれーる」


「…他人にならない?」


え。


友情破棄宣言‼?


「あたしは信じてるよ!はるるんとあたしの友情はフォーエバーでしょ!」


「…ごめん、友達やめたい」


「今日はエイプリールフールじゃないよ、はるるん。頭打った?」


「その言葉そのまま返すー」


「カキーンッ!はるるん選手打ち返したァアァァァ!打った打球はレフト間へ‼美沙ちゃん選手取れるかっ!取れたァアァァァ!スリーアウトチェェエエエェンジ‼‼‼‼」


「…もうホント他人にならない?」


「え‼?嘘。分かりにくかった?今のはるるんの言葉をあたしがキャッチしたでしょ?それで、あたしははるるんの言葉を受け取ったというわけだから、友達続けようぜ☆ってことなんだけど!」


「顔近い鼻息荒い意味不明」


「ごめんごめん。この気持ち伝えたくって」


「何そのセリフ。片想いの女の子がコクった最後のセリフみたいなセリフは」


「意味分からない。はるるん、美沙ちゃんが国語の比喩の仕方について指導してあげようか?」


「うん。ごめん。もう赤の他人になろっか」


「…………………」


すいません。お話聞いてましたか?