あと2ヶ月で、しようと思ったことがあった。
けれど、それはもう無理と分かった途端、どうでもよくなった。
「優季、優季」
けれど、彼を呼ぶのは諦められなかった。
会いたい。優季に会いたい。
『“ ”』
まだ伝えてない。まだ伝えてないの。
忘れて欲しいなんて、嘘。
忘れて欲しくない。ずっと、あたしを覚えてて。
ずっと、ずっと、あたしを想って。
───お願いだから、あたしに依存して。
その感情が“恋愛感情”じゃなくても、いい。
同情でもいいの。
───優季、優季。
『美沙。手、繋いでやる』
『ほら。お菓子焼いてやった』
『美沙、最後まで一緒にいてやるから』
ウソつき。
手繋いでも、離しちゃったじゃんか。
お菓子、一緒に食べてくれなかったじゃんか。
最後まで隣に居てくれなかったじゃん。
彼の言葉は一瞬をくれて、あたしの願いは永遠で。
離れて行ってしまうの背中に手を伸ばす。
手が掴むのは何もない宙であって、彼はどんどん離れていく。