鈴村さんったら、恥ずかしがり屋さんだね。


あたしと目を合わせるのが恥ずかしいんでしょ?


もうもうやだやだ。倉條サン、照れちゃうわー。


別に頷けないから視線を逸らしたんじゃないよね。うん。きっとそうきっとそう。レッツプラス解釈だよねレッツプラス解釈。


「優季、あたし行くよ」


「お前は寝てろ」


「大丈夫だから。お昼から軽い検診も受けなきゃいけないし、多分、忍さんだし、ナイスタイミングだわ」


お昼からの定期検診。きっと、余命のことを言われるんだろうな。


やだなぁ。知らなくていいのに。


「美沙、顔暗い。何思い出したんだよ」


赤く火照った彼の顔が神妙になる。


そんな彼に、へへッと軽く笑って見せた。


「昨日の優季の寝顔を全国のおば様方に伝えるには、どうやればいいか考えてた」


「すぐ消せ」


あたしね、頑張って優季クンフェイスフォルダー作ったの。優季クンの顔しか写ってないフォルダーだからね。


あと少しで200枚。記念すべき200枚目は変顔してもらおうかとも考えているわけで。


「ごめんね。保存させてもらっとくね」


消すなんて、愚行過ぎる。


「…………っ、」


ぷいっとそっぽを向いた優季。


彼の動きと同時に、軽くチョップをされた。


「美沙ちゃん、これ以上優季くんの熱をあげないでちょうだい」


「………意味わかんないんですけど」


「……………」


応答願います!ロボットさん、応答願います!


ため息じゃなくて、応答を求めます。