かぁぁぁあと熱くなる顔。


そんな顔は誰にも見せたくなくて、彼の胸に顔を埋めようと、顔を下に向けた。


一瞬見えた緩く結ばれたはるるんのネクタイ。


そのネクタイで首を絞めて、やめさしてやろうか。


と思ったが、はるるんごときのために、殺人者になるのは断固拒否なので、思い止まった。



「晴」



聞き心地のいい声がして、ふわりその持ち主の香りが鼻を掠めた。


と同時に、はるるんがぶっ飛んだ。




「はるるん大佐ぁぁぁあああぁぁぁぁあああ!」




ぶっ飛んだ、なんていうのは嘘で、志貴先輩にひっぺがされた。


襟を掴まれているはるるんは、今にも窒息死で殺されそうだ。


「志貴先輩っ、思い止まって!田舎の母さんが泣いてるよ」


「……………」


訝しげな彼の視線。


その隣で、三途の川を渡りかけているはるるん。


優しいあたしは、今ここで何すべきかを理解し彼らに近づく。


「志貴先輩。これで、女の子は安全に暮らせますね!さっさと殺っちゃいましょう!」


倉條美沙またの名を女の子の味方という。


「勝手に晴を殺すな」


ぺしり、頭を軽く叩かれる。


「いったーい。志貴先輩、殴るの反則です」


「殴ってねぇし」


「もしかして、あれもスキンシップ‼?志貴先輩、激しいですね!」


「誤解を生むような言い方するな気持ち悪い」


「優しくしてくださいね」


「志貴より俺の方が優しーよ」


「はるるん、くたばれ」


「美沙ちゃんのツンいただきましたーー」


罵倒されても喜ぶ。


さすがはるるん。


ド変態極まりない。