「お前、テストどうだった、………ってキモいなお前」


優季があたしの点数一覧表を見ると同時にこの世でないものを見るような目であたしを見てきた。


「はい‼?」


開口一番がキモい‼?


「なんつー点数取ってんだよお前」


「そう?あれだよね、英語が満点じゃないってことろがムカつくよね。あと、生物と現代社会だよね。あーでも、それをいうと化学もだよね。………あー何でこんなに点数低いの‼??」


ムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつく。


折角真面目に勉強したのに、んな点数なんて。


割に合わない。


なんだかんだ言ってこれが本音である。


1位とか嬉しいんだけどね?


そもそも勉強とかって人と比べるものじゃないと思うんだよね。


人と比べて劣等感とか感じるのは勉強への意欲を押さえてしまう。


だから、人と比べるのはダメだからといって、偏差値とか順位とかの制度は廃止してほしいわけじゃなくて。


いや、だって廃止したら何を基準にすりゃいいのって話だし。


つまり、あたしが言いたいのは偏差値や順位を人と比べるために見るんじゃなくて、自分の欠けているものを見つけるために見るものだと思う。


前のテストからこの教科落ちたなぁとか、よくなった、とか。


要はテストの順位や偏差値は自分の進歩や後退をリアルタイムで知るという意義だと思いやっていくと意外と勉強ははかどる。


あと、勉強を作業と思わず、こなしていくこと。


これがあたしの勉強の極意である。



………って何でいつの間に真面目キャラになったんだよ、あたし。


そんなお堅いキャラじゃないだろ、あたし。


見せつけるんだ、魅せるんだ、あたしのキャラを。











「恋のキューピット♡♡♡あなたにラブラーブ魔法~♡ラブラーブっ」




あ、間違った。


アホキャラじゃないよ、あたし。


あたしはどちらかというと清楚系女子キャラだ。


間違えないで。


あたしの路線は清楚路線だ。


ゴホン。


空気をとり直そうと咳は払いをする。


「優季、目が死んでるよ?絆創膏、いる?」


さりげなく絆創膏で女子力アピール。


そして、柔らかい言い方で清楚女子アピール。


「ちょっと待て。お前、前の発言、なさなかったことにしようとしてるけど、出来てないからな」


「…あれは、キャラ選択間違ったの」


「恋のキューピットとか間違えてとかのレベルじゃないだろ」


「………」


あたしは視線を泳がす。