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「むっちゃ可愛いんですけど!!!」


緑陽学園の制服を着たあたしは、ウハウハとテンションマックスだった。


「美沙ちゃん、鼻息が荒いわ。ゴリラに成り下がってるわよ」


そんなあたしを彼女は一蹴。


ヒデェなオイ鈴村さん。


「うふふふふ。テンションが上がってしまったの。ごめんなさいね、鈴村さん」


「ぷっ、…何その喋り方。ギャグかしら?」


オコですよ‼?マジでオコっすよ‼?


「鈴村さん、あなたは鬼ですか」


「人間だわ。精密検査しに行く?」


はい、あなたは鬼です。生粋の鬼ですよ。


美沙ちゃんのナーバスハートを金棒で割ろうとしている鬼です。


「………………美沙ちゃん、あと10分後に出発よ。準備して」


「了解でーーす」


敬礼のポーズをすると、彼女は満足げに微笑み、部屋を出ていく。


準備と言っても、何もすることはない。


カバンも要らないし、教科書も要らないし。


スマホしか持ってかないし。


「よし。髪の毛でも整えよう」


学校に行くときは、いつもそのまま放置か、時間があるときは優季が結んでくれたりしていた。


そんなあたしが髪の毛を整えようだなんて、………………。


「女子力アップ!乙女にレベルアップだ!」


level4からlevel47くらいまでレベルアップしたくらいのレベルの向上である。


優季がやってくれたアレしよう!


髪の毛を解かして、ゴムを口に挟む。


ビバ編み込み。レッツ編み込み。


「………………」


そんな意気込みと裏腹に、編み込みはなかなかlevelが高かったようだ。


「なんじゃこりゃ」


編み込みはなかなか難しい。


全国の女子高生はこんな高レベルな実技を毎朝しているのか。


あぁ最近の女子高生はバケモンだ。