あの時の白銀世界に残してきたあのぬいぐるみは、今どうなっているのだろうか。
冷ましたキャラメルミルクに口を付けようとするが、まだ熱くて、思わず舌を出した。
「あたしね、普通に嬉しかったよ。プレゼント貰って。どんだけ機能性がなくても、実用性がなくても、可愛くなくても、貰ったものだったから、嬉しかった」
彼らの小さな袋に入っていた誕生日プレゼントを思い出す。
カバンの中にまだ入っているプレゼントは、あたしの1年間のご褒美のように感じた。
「だから、さ。優季」
「…………………」
「ありがとう。あたしの誕生日をあの人たちに教えてくれて、本当にありがとう」