「お前が優しいんだってよ。笑えるよな」


「…何が言いたいんだよ」


「んなもん、決まってんだろ。お前、むっちゃくちゃ性格ネジ曲がってるくせに、いい子チャンぶるトコがムカつくっつってんだ」


向けられた瞳に浮かぶのは嫌悪と憤怒。


「お前が優しいのなら、倉條の本当の隠したい秘密を気付かせることくらいさせてやってもいいはずだろ?」


「………………」


吐き出された彼の言葉に、返す言葉がなく口をつぐむ。


「分かってんじゃねぇのか?お前。倉條の気持ち。お前は倉條がストーカーしてまで手に入れたかったお友達だろ?」


「………………」


さ迷う視線が自然と彼の視線と絡まる。







「俺は倉條には従わねぇよ」








「アイツの俺に頼むときの顔、どんなのか知ってっか?」


「……………」


「泣きそうなブッサイクな面だ。もとはいいから、そそる表情だな」


「…………キショ」


「…分かってんだろお前。なら、そろそろ覚悟を決める頃じゃねぇか」


白衣を着ている男は、ニヤリと意地悪く笑う。
























「橋本。俺と同盟でも結ぼうじゃねぇか」