公園の時計を見ると、3時ちょっと過ぎたくらい。
暗くなるのは、五時半と設定しよう。
五時半に家にいれば、オーケーということにしよう。
「ねー、はるるーん。あたし、双葉ちゃんに会いたいなぁ」
「んー?何で?」
「癒されたい」
「それなら、俺に抱きついときゃいいのにー」
「それ、むしろダメージだから」
自意識過剰ナルシスト。
「はるるんなんて、ハゲちまえ」
「禿げちゃったら、女の子が哀しむじゃーん」
「あたし、悲しくないんだけど。むしろ、ハッピーなんだけど」
「多分、それは美沙ちゃんがゴリラだからじゃないー?」
「はるるん、嫌いッ!志貴せんぱーーい、あたしもブランコ混ぜてくださーい」
「ちょっ、美沙ちゃーん。冗談だって」
「はるるんが言うと冗談に聞こえないの。分かる?変態星の王子様」
「やーん。美沙ちゃん、俺のこと王子様だと思ってたわけー?じゃあ、美沙ちゃんは、プリンセスー?」
話にならん。
ぷいっと、ナチュラルにプリンセス発言をスルーし、ブランコに移動した。
ブランコに座ると、お尻がヒンヤリ。
冬のブランコはお尻が冷えるらしい。
冬のブランコ。このお尻の冷たさに耐えたものだけに、見える頂があると言う。
「お尻、ファイトぉぉおおおお!!」
気合いを入れた掛け声をした時の隣からの視線といったら、…。
冷凍ビーム。
実は志貴先輩は、ポケ○ンだったりして。
いや、それはない?でも。試してみる価値はあるよね。
「出てこい!志貴先輩!ベンチで項垂れている変態王子に向かって、バブル光線、…っじゃなくて!冷凍ビーーム!!」
「「…………………」」
ノーリアクション。