一発即発。そんな空気。


「橋本くん、美沙ちゃんをここに残していってくれないかな?」


「無理」


ストーカー軍撃沈。


矛先は優季からあたしへチェンジ。


「…美沙ちゃん、橋本くんに何かガツンと言ってやって!」


いや、なんであたし!?


「……………」


「わー、美沙ちゃん冷たー。無視とか冷たー」


めんどくさっ。てゆーか、面倒通り越してウザイよはるるん。


「美沙ちゃん、だから胸ないんだよーん」


「……………」


うぅっ。



「美沙っ!?」

「美沙ちゃーん!?」

「……………」



学校に向かって猛ダッシュ。


「美沙っ、走るなっ」


ごめん優季。走らなきゃ。走らなきゃやってられない。


理由だって?別に!?別に!?


胸ないことでいじられたから逃げてないからね!


走りたい気分だったからだし!汗かきたかっただけだし!


ほら、証拠に目から汗が出てくるよ。


「はるるん、嫌いッ」


後ろを振り返らず学校へ一直線。


歩く人があたしを不思議そうな目で見る。


優季、変態さんと甘党くんを任したよ。







「おいっ、待てっ」







え、嘘。なんで。


「ぎゃああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!甘党モンスターが追いかけてくるうううぅぅぅぅぅぅ!!!」


志貴先輩!?何故に追いかけてくるの!


「……………チッ」


舌打ちしたよね!?舌打ちしましたよね!?