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「美っ沙ちゃーん、おっはーよーん」
何この朝っぱらからテンション高い人。
ついていけないんですけど。
はるるんにストーカー宣言させた翌日の朝。
優季と仲よし登校して、駅から降り、改札口を出たところでストーカーに遭遇。
「あれ、なんだよ」
隣の優季が怪訝な目で二人を見る。
はるるんと、志貴先輩。
まさかほんとに志貴先輩が来るなんて。
さくらさん、お宅の志貴くん。はるるんに甘くないですか?
なんて、思い始めた今日この頃。
太平洋側に面するこの地域では、晴れ続き。
ニュースとかで見る雪に憧れてたりしなかったり。
雪がこの地域に降るのは、寒さのピークの1月、2月。
12月には、あまり雪が降らないのだ。
「ほんとにストーカーになったんですね」
キラッキラの馬鹿にする笑顔で、彼らに言うと。
「うん。アイラブユー美ー沙ちゃーーん」
とキラッキラキラッキラの笑顔で返された。
「…………………」
「晴」
志貴先輩がキラッキラキラッキラ笑顔のはるるんを呼ぶ。
「………テンションたけぇウザイ」
え、そこなの!?つっこむとこ、そこなの!?
「…美沙、行くぞ」
目の前で行われる先輩コントに目もくれず、優季はあたしの腕を引っ張った。
「ちょーっと、待とーよー色男クン」
目の前でとうせんぼ。
うん、ちょっと待とうかはるるん。
とにかく黙ろうかはるるん。
とにかく退こうかはるるん。
「…んだよ」
理不尽な止め方に優季は不機嫌MAX。