ごほん、はるるんは咳払いをした。
これが正しい咳払いだよと言わんばかりだ。
「……美沙ちゃんさ、もう俺らといる気はないんだよねー?」
語尾が延びたユルユル口調で問いかけられる。
「もちろん」
「なら、さ。俺ら、
美沙ちゃんのストーカーになる」
はい?
「パードゥン?」
「俺ら、美沙ちゃんのストーカーになる」
あたしの耳はまだ可笑しくなっていなかった。よかったよかった。
じゃなくて!
「ストーカー…………」
「うん、ストーカー」
何笑顔で答えちゃってんの。
その甘甘フェイスに右ストレートいれるぞコラ。
「美沙ちゃんが無理矢理俺らと仲良くしよーとしてたように、俺らもする」
俺ら、って……。
「志貴先輩は、絶対しないでしょ」
「大丈ー夫。無理矢理、連れてくからー」
大丈夫じゃないし。全然っ大丈夫じゃない。