思わず、彼と距離をとる。


いや、だって。


「この色気マシーンめ。ここで色気出すとか反則」


さっきの声があまりにも、甘美だった。


身体中の熱が顔に集まった。


「美沙ちゃん、顔真っ赤」


「…~ッ!このハレンチ!」


「美沙ちゃん、ご乱心だねー。それと俺、ロボットじゃないしー」


「じゃあ、あれでしょ!たらっしー星人、
たらっしー星のたらっしー星人!!」


「やだなぁ、もう女の子と遊んでないよー」


信用ならんのだよ、君は。


いつの間にかに、前までの空気になってきて。完璧にはるるんペース。


ごほんっ、あたしは気分の入れ換えに咳払いを1つ。


んー、…。あまり、気分が良くならなかったので、もう一度咳払いを1つ。


ごほんっ。


「………………」


や、まだ、気分がよくならない。


また、ここらで1つ咳払い。


ごほんっ。


「…………………」


む。まだ気分が良くならない。


もしかして、回数の問題?


ごほんっ、ごほんっ、ごほんっ、ごほんっ、ごほんっ、ごほんっ、ごほんっ、ごほんっ、ごほんっ、ごほんっ、ごほんっ、ごほんっ、ごほんっ、ごほんっ、ごほんっ、ごほんっ、ごほんっ、ごほんっ、ごほんっ、ごほんっ、ごほんっ、ごほんっ、ごほんっ、ごほんっ、ごほんっ、ごほんっ、ごほんっ、ごほんっ、ごほんっ、ごほんっ、ごほんっ。


「えっと、美沙ちゃん……?」


「何?」


ごほんっ、ごほんっ、ごほんっ、ごほんっ、ごほんっ、ごほんっ、ごほんっ、ごほんっ、ごほんっ。


あれ?なんの目的で咳払い始めたんだっけ?


「…………………」


「…………………あ、」


「どうしたのー?美沙ちゃん」


「…洗脳。分かった!これはたらっしー星人の特殊攻撃かっ!洗脳攻撃ね!マインドコントロールね!」


あぁ恐ろしいっ!


「…………………」


そして、はるるんの何言ってんだよコイツという視線も痛くて恐ろしいっ!