「そうですか。そうですよね」
ハハッと乾いた笑みが溢れる。
その笑みは、どの感情から来るもの?
悲しみ?喜び?安心?
さぁ、どれだろ。よく分からなくなってきた。
「じゃあ、あたし行きますね」
彼らに背を向け、踵を返そうとした。
「美沙ちゃんッ!!!!」
「何?はるるん」
あたしの秘密を知って。
このあたしの告白の真意を知って。
あたしに軽蔑したハズでしょう?
なのに、何でそんな顔をしているの?
「美沙ちゃんっ、「はるるん」
彼の言葉を遮る。
ここで、ネタバレとかあり得ないし。
ここまでが無駄になっちゃう。
「告白にフられた女の子は、ここを立ち去るのが普通でしょ?だって、居たたまれないもん」
「けど、」
「けどじゃないよ、はるるん。傷付いたんだから、今は一人にさせて」
ウソ。一人になんてなりたくない。
胸が裂けそうなほど、痛い。
志貴先輩に、要らないって言われたようで、胸が痛い。
「………………っ、」
はるるんは、胸懐にいろんな感情が混じっているのかして、瞳の色は色んな色が混じって濁っている。
「じゃあ、ばいばい」
またね、なんてもう言えない。
彼らの顔を焼き付けて。
彼らとの思い出を閉まって。
あたしは、走り出した。
カラフル世界からモノクロ世界。
モノクロ世界の入り口は、もうすぐ目の前。