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「ねぇ聞きました?お母様」
「どうしたの?」
「お姉様が、朝起きたら石灰まみれに………やはりこの城は呪われているのですわっ」
意地悪の姉妹の妹は、ついに泣き出す。
母は、泣き始める娘を前にオロオロオロオロ。
そんな様子を見るシンデレラ。
よくある朝の風景である。
呪いの家、と呼ばれる家に住んでいるシンデレラ一家。
母、父、娘3人で暮らしている。
一番年下の娘のシンデレラは、彼らと血が繋がっておらず、上の姉二人はシンデレラをあまりよく思っていなかった。
だから、彼女らはシンデレラをいじめている。
それをみた母らは、注意するどころか参戦。
シンデレラの血祭り状態である。
「あんた!!」
「何でしょうか、お母様」
シンデレラは母に向かって、機械的の質問をする。
「石灰だらけの部屋、片付けてちょうだい!あの子が夜寝るとき困らないくらい綺麗にしなさい!」
「わかりました」
シンデレラは深々とお辞儀をし、夜中忍び入った姉の部屋に向かった。
「呪いの家、ねぇ」
シンデレラは、クスリと笑みを浮かべた。
「呪いって、怖いねぇ」
(あたしが犯人だけれども)
シンデレラは、いじめられつつも、地味に仕返しをする。
そして。
朝、お母様やお姉様の泣き顔や怒鳴り散らす歪んだ顔を見るのがなかなか歓喜劇のように感じて。
なかなか充実した毎日を送っていたのである。