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「ねぇあんた」
「何でしょうか、お姉様」
「倉條さんにお姉様って呼ばれた倉條さんにお姉様って呼ばれた倉條さんにお姉様って呼ばれた……胸キュンっ!!……………ごほんっ」
意地悪な姉は呪文のような言葉を繰り返し、咳払いをした。
「ねぇ、あんた。ちゃんと、掃除した?」
「掃除しました」
「ねぇ花瓶の中までしてくれたかしら」
「いえ、………それは、」
シンデレラは目を伏せる。
意地悪な姉は、近くの花瓶を取り、美しく細かい刺繍が施されているところを指差す。
「ここ、少し黒ずんでるわ。ちゃんとしてちょうだい」
否。その細かい刺繍のところを掃除しろだなんて、無理な話である。
意地悪な姉はそれを知って、シンデレラに文句をつけているのだ。
「朝起きたら、綺麗になるようにしておいてちょうだい」
意地悪な姉は、大股で歩いて、自室に戻っていく。
シンデレラは、ふぅと大きくため息。
「綺麗に、ねぇ」
彼女は意地悪い笑みを浮かべていた。
「黒ずんで見えるのは、あんたの目が黒井から。しょうがないなぁ。朝起きたら、部屋中に石灰でも撒き散らしておいてあげよっと」
シンデレラ。
日本語でいうと、“灰かぶり姫”。
「石灰、石灰ー、っと。重たいなぁ。…よしっ、封を開けてー。はい、お姉様ごめんちょんまげ。今からあなたの目を白くするためにあなたのベットを石灰だらけにしてあげましょう。………。って、ぎゃああああぁぁ!!…ミスったっ!なんで、自分にかけてんのよ!あたし!」
現在。
彼女は、“石灰かぶり姫”となっていた。