「………優季は優しいね」
それはもう酷いくらいに。残酷なくらいに。
「そりゃ、お前だからな」
幼馴染みだから?母親に嫌われてる可哀想な子だから?
「……ん、ありがと」
やっぱり、優季はいい匂いだ。
そんなことを今思うあたしは変態?
ノー!はるるんと一緒にしないでいただきたいね。
これは自然の条理である。うん。優季の匂いは魅惑の匂い。
彼の胸にもっと頭をうづくめると。
───ガラリ。
教室の扉が開いて。
「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、、…………きゃああああぁあああ!!!!!」
クラスメイトの叫び声が朝早い校舎に響いて。
それはそれは、もう。
まるで学校にバッファローの群れがつっこんできたような程の叫び声でした。