電話を切って、マンションから見える星空を眺める。


スゥと息を吸うと、冷たい空気が肺に入る。


「もう、冬だな」


まだ秋よりだけど。




──ブーブーブー。



ポケットの中でスマホが震える。


取り出して、メールを開く。





『北府高校の文化祭に行きます』






簡潔な用件だけの文。


送ってきた彼女は、どんな思いをしてこれを送ったのだろうか。


母親からすると、彼女の行為は裏切り。


そのリスクを背負ってまで、姉に会う。


姉妹揃って、危険を省(かえり)みず、我が道を進んでいく性格が酷く微笑ましい。


誰がこの彼女が文化祭に来ることを断るのだろうか。


俺に言わなくても秘密裏にこれば言いはずなのに、姉を想って俺に伝えておく。


姉妹揃って、計算高く策士である。




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to. 倉條瑠菜
sub. (not title )
20** 11月2日 20:55
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分かった。

美沙は3年4組の動画鑑賞のヒロインをしているらしい。

良かったら、見ていってやって。



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メールを彼女に送信して。


そのメールが帰ってきたのは、22時くらいの約1時間後だった。