「あー、どーしよー」
悩むのなら、言えばいい。
そんなん分かってる。
自分が弾き出した答えが、怖いのだ。
それを、彼女に言ったら。
離れてしまうのかもしれない。
それが怖い。
「どーしよー」
枕を抱いて、ベットを右往左往。
ゴロゴロゴロ、ゴロゴロゴロ。
また何度目か分からないけれど、また考えて。
「……はぁ」
ため息をはく。
行きつく答えは、やっぱり1つ。
「……言うしかない」
もし、離れてしまうのなら。
無理矢理こっちがベッタリストーカーをすればいいのだ。
よくよく考えたらそうだ。
うん。絶対そうだ。
美沙ちゃんだって、志貴のストーカーしてたんだから、ストーカーの心情は分かるはず。
「…………言お」
ボスン、と枕に顔を沈める。
言わなきゃ何も始まらない。
勇気を出して、彼女と対峙をしなくては。
そうと決まれば、明日する。すぐしなければ、後悔する。
ちらり、明日の日程を確認しようと、カレンダーを見ると。
「文化祭…………」
明日は11月3日文化祭。
「うん」
決めたことは曲げるな。俺。
また泥沼無限ループに浸かるよ。
それだけ御免。
明日の覚悟をきめ、俺は早々と寝ていった。