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side.H



やっぱり、好きだ。


彼女を見ていると、それを突きつけられる。


だから、俺はあの時のことをなかったことにしたくて。


無駄な事だと分かっているのに、悩み続ける。


悪循環の無限ループ。


その深さは昼ドラのドロ沼より深いに違いない。




『さくらさん、なんでそんな約束をするの?なんてあなたは残酷なの。あたしの気持ちは?あたしは恋しない。好きになってない』



あの時の言葉がまた頭にリピートされて、何度目か分からないため息をつく。


学校では、いつも通りに接して、家では悩む。


学校では、悩んだ姿なんて見したら、もう終わり。1発K.O.。


自分絡みのことではるるんが考えてる。探(さぐ)らなきゃ。


と彼女は瞬時に考え、何かしらの方法で当ててくるだろう。


隙ったらありゃしない。


なんちゃって、美沙ちゃんだから。


あぁ怖い。くわばらくわばら。


いつも、バレてないかドキドキしている。


まるで、恋する乙女のごとし。……あ、男だからね?俺。


アッチ系じゃないからね?


ここんとこ、勘違いしないようにしてちょーだい。


まぁ話を戻して。



美沙ちゃんだよ美沙ちゃん。


あの能天気さん、あぁ見えて鋭くて困ったちゃんって話だよ。


このまま、隠し通そう。


そんなの不可能だ。


人間だから、いつかボロは出る。


それに、相手は美沙ちゃん。


いつバレても可笑しくないのだ。