──キィイイーー。
音がなる重い扉。
そこから、ぴょっこりミルクティーカラー。
「志貴、ご飯持ってきたけどー」
あたしと志貴先輩の不穏な空気を壊したのは、はるるん。
図書室でご飯は禁止だから、少し探検して屋上に来てみたのだ。
少し寒めである。
志貴先輩と話してたら、心はホットだからね。
寒さなんて、関係ないのよー。
「…美沙ちゃん、ご飯はー?」
「あたしは食べてきた」
「んー。はい、志貴」
志貴先輩に投げられたビニール袋。
中身は、パンだと思われる。
「そうだ!聞いて!志貴先輩志貴先輩!」
「…………」
もぐもぐもぐ。
フルーツサンドを口に含みながら、あたしに耳だけは向けてくれる志貴先輩。
……フルーツサンド…っ。
萌え萌え萌え萌え萌え。
鼻血が……っ、ブシャーーー!
一応、鼻をおさえて、心のカメラで志貴先輩を連写。
連写し始めて、数十秒後。
被写体志貴先輩は何も言い始めないあたしを不思議に思い、パンからあたしに視線を向けた。
そして、フルーツサンドから口を離して、あたしに一言。
「……お前、これ欲しいのか?」
美沙ちゃんノックアウト。
差し出された食べかけのフルーツサンド。
ここ大切!食べかけ!!!!
つまり、間接キッス!!