「倉條さん、出来た?」


いつのまにかあたしの隣に来た女の子。


「あ、山川さん。うん、大体は。」


書いている紙を見せると、彼女は満足げに笑った。


「うん。いい感じ。倉條さん、絵うまいね」


「ありがとー」


ふわりと笑うこの女子力の塊は、美沙ちゃんの好みドストライクである。


ちなみに、あたしの一番の女友達である果奈は内装班。


只今、買い出しに駆り出されている。


「その紙が書けたら、終わってください」


「分かりました」


彼女は、あたしの班、接客・宣伝班の班長だったりする。


責任感もあって、女子力の塊。


あぁ羨ましー。


「終わったー」


赤のペンのキャップをつけ、筆箱にしまう。


「優季、まだー?」


「あと、少し。…ん、出来た」


「山川さんに提出して、スタコラさっさ。すぐ帰りましょ」


「へーへー」