映画の中盤。



『キュアストロベリーっ』


『大丈夫よ。キュアオレンジ。行くわよっ』


『ええっ』


『赤き実が実るとき、甘い香りが通い出すっ、ストロベリーバブルっ』



絶賛バトル中である。


題名はなんだっけ。


えっと、…あ、そうだ。フルッティープリキュ○だ。


ちなみにこれ美沙ちゃんチョイス。


ここ大切だから。


男子高校生がこれを見に行くなんて、ヤバいから。怪しまれるから。


このチョイス、さすがだと思う。


俺的には、最近流行ってる恐竜ものとか、外国のアクションとか、日本のジブ○とか、そこら辺を見るんだと思ってた。


忘れてたんだ。美沙ちゃんは変人だということを。


『何でもいいよ』と答えたら、映画館の放送でちょうど流れていたフルッティープリ○ュアの映画をチョイス。


最初は考え直してもらおうと説得したが、フルッティープリキ○アの主人公のキュアストロベリーの、


『いい子はフルッティープ○キュアを見てねっ』という言葉が原因で失敗。


あたしはいい子なんだ。フルッティー○リキュアを見なくては…っ。



とアホ丸出しの言葉を添えて。


そんなこんなで、無理矢理チケット売り場まで行かされて、買わされて。


ポップコーンの味をどれしようか、についての脳内会議中なのではるるん氏は退室を願います、なんて意味不明なことを言われ。


その15分にポップコーンのすべての味を買った美沙ちゃんを引き連れて。


あ、ちなみにポップコーンで手がいっぱいということで、飲み物を持たされた俺は、


やっとのことで座席に座れたのである。


そして、それから数十分。


この有り様である。


となりで気持ち良さそうに寝ている彼女。


ポップコーンと飲み物はすでに空のよう。


映画が始まる前に全て食べやがったのよこの子。


マジあり得ない。