*****



「ご飯の時間だよ。はい、ハヤシライスです」


「お前、ハヤシライスとオムライス率高くないか?」


「それは二大美沙ちゃんフェイバリットフードだからです。はい」


「…俺、パスタが食べたい」


「はい、ご飯にしましょー」


無視かよ、と悪態を吐く優季はスルースルー。


お腹が空いたし、マジで面倒だから。


イスを引いて、そこに座る。


わすがそのタイムは1秒。


空腹ゆえの極みである。


「いただきます」


まだ立っている優季を無視し、スプーンを持つ。


彼の視線が呆れ、だということは知らないフリ知らないフリ。


「ん~~っ」


美味しいっ!


さすが過ぎ!さすが過ぎだよあたし!


やっぱアレかな!涙出てくるの我慢して、玉ねぎを根気強く炒めたからかな!


ちゃんと甘味でてる!


「優季これ自信作だよ!」


自信を持って、彼に言うと、彼は黙って席に座り、スプーンで一口。


いただきますは?と言いたいところだったが、感想を聞きたかったので見逃し。


「どうどう‼?」


「……ん、うまい」


「~~~っしゃぁああああ……いだっ」


「雄叫びを上げるな煩い」


「見逃してちょんまげ。今、感極まってんの」


「意味分からない……それより」


ハヤシライスの褒め言葉以外に、話なくなかったのになぁ…。


思い当たりのある出来事を思いだし、あからさまに口角が下がったのが分かった。