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ガラッと勢いよく目の前の扉を開けると、美沙とあの教師がベットに座り、向かい合って、何やら真剣な顔つきで話していた。


「あ、……優季」


来ちまったのかよ、と少し不貞腐れるバカ教師。


てゆーか、ベットって何で。


椅子に座れや。何おっ始めるような風景にしてんだよ。


「優季、あたし気付いたんだけどね!」


「………………」


アイツ、何美沙に吹き込みやがった。


「体育祭!保健室にいていいよね‼?」


「……家の方が安心だろ」


「一人じゃん。でも、保健室なら、カナちゃんがずっと居てくれるんだって!」


「………………」


ギロリ、美沙に知恵を貸した彼を睨む。


が、彼はヘラヘラと笑っていた。


「つーか、カナちゃんってなんだよ」


「確かにね最初はいけすかない奴だったよ!けど、体育祭もずっと居てくれるし、お菓子もたくさんくれるしっ、むっちゃいい人!マジ大好きっ」


「俺も好き」


「黙れロリコン」


「優季、カナちゃんにロリコンなんて言っちゃダメ!」


何コイツ。数分の間に美沙を懐柔してやがる。


「……つーか、コイツには近づくなと言ったはずだろ」


「カナちゃんが勝手に近づいてきた」


「倉條と話したくてついつい」


何がついつい、だ。


どーせ、ずっと機会を伺ってただろ。


「優季!と言うわけで!美沙ちゃんは体育祭の日は保健室にいるというわけで決定。今からはカナちゃんとティータイムの続きするから、ばいばい」


「は?サボんのかよ」


「サボりはいつものことじゃん。優等生の橋本クンは授業に戻りたまえ」


そう言い彼女はティーカップを口につける。


「というわけだ。橋本、戻れ」


「…………………」


どう考えてもこのロリコン教師がいる限り美沙と話はつけない。


家に帰ってから、した方が得策。



潔(いさぎよ)くここは諦めるべき。


「わかった。じゃあな」


「うん、ばーいばーい。今日のご飯はハヤシライスよーダーリン」


「……………~ッ、」


こんなことを俺の気も知らず言う美沙はある意味強者だと思う。


ロリコン教師の喉に引っ掻けて笑う笑い声を背に保健室を出たのであった。