なら、さ。


「君達はお魚の気持ちが分かるのかね?」


「ごめん。お魚の気持ちが分かるのかね、って聞こえた」


「聞こえてんじゃねぇかよ。え、何。もしかして、そうやって、あたしの気を引こうとしているの?ふふふふ、その手にはかからんよ」


ふはははははははは、あたしは高笑いをしてみせる。


何か気持ちいい。


よく悪役のラスボスがこんな風に笑うのか分かった気がした。


「あたし、クッ○と仲良くなれそう」


「どーしよー、志貴ー。どこだっけー?ここの近くの精神科って」


「あぁ。……木下医院じゃなかったか?」


「俺のクラスの木下さん家の病院ー?」


「あぁ」


「木下さんに精神が可笑しい子の対処の仕方聞こー」


「それはいいな」


「どこがだよ」


黙って聞いていりゃなんだよ。


あたしは正常だし。うん、普通じゃん。


「あたし、ラスボスの気持ちが分かったんだって。マジで」


「ごめん。美沙ちゃんの頭が理解できないんだって。マジで」


「それ毎回言ってる!飽きたぜそのパターン!さぁ新しいネタを!我が相棒よ!」


「………………」


「……………………」


あれ?


黙っちまったんですけど。


何故か知らないけど、黙ってしまった彼ら。


もしかして、さ。


はるるんは志貴先輩思いでしょ?


もしかして、志貴先輩を仲間にいれてあげたいんじゃないのか!?



「大丈夫はるるん!3人でするから!そうだね芸能コンビ名は…CO₂!!酸素があたしと志貴先輩で炭素がはるるんね!」



「…………………」


「………………………」



あ、あれ?なんか、もっと空気が重くなったような…。


何かすごく。



居たたまれないんですけど。