はるるんの胸に押し付けられる顔。
このシュチュエーションは確かに胸キュンだ!
しかし、ここには大きな問題があるのである。
「鼻がッ!」
鼻が折れそうであるということである。
「……晴、コイツの鼻が崖崩れになって欲しくないのなら、放せ」
助けてくれてるの!?志貴先輩!
けど、崖崩れて。
あたしの精神はもう雪崩が発生中しちゃってんですけど!
「大丈夫ー。その時は俺がお嫁にもらってあげるー」
ななななななななななんだと!?
はるるんなんかのお嫁になるくらいならっ。
「泣いても土へ座してでも勘弁してもらう!」
「なにソレー。照れ隠し?」
何このポジティブさん。
頭の中、マジでお花畑でしょ。
「照れ隠しなんて、はるるんにしても意味ない」
「あ、分かった分かった」
「え、ホント?じゃあ、あたしに変なちょっかいをかけないでくれ───
「嫌よ嫌よも好きなうち、ね」
「どうやってその結論に」
何この人。何考えてンの。
てゆーか、照れ隠しとさほど意味変わらないんですけど。
「晴」
「何ー?」
志貴先輩が痺れを切らしたようで、はるるんに話しかける。
はるるんはあたしから志貴先輩に視線を移した。
はるるんは、よく人の目を見て話す。
このイカれポジティブと下半身の緩さがなかったら、尊敬していたであろう。
「こいつに思考が似てきた」
志貴先輩がそう言うと、鼻にかかるの圧力が急に無くなり、はるるんとの距離が開く。
「ごめん。ちょいとふざけすぎた。美沙ちゃんと同類だけは御免よー」
このストレートな言い回しもあたしに向けてではなかったら、尊敬していたであろう。
ぐっすん。
そんなに美沙ちゃんズ思考回路は可笑しいのか。