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「THEピンクですね」


それは、第一印象だった。


「志貴先輩、志貴先輩」


「……」


「あたしは今からはるるんとこ行ってきますので」


「俺はどうすればいい」


「ここで寝てても、探検してても。部屋に居てくれるのなら、なんでも」


「………………」


彼はふかふかなベットに寝転がる、……と思いきや、ベットに座っただけで、あたしを見据える。


寝転がった写真撮りたかった。


という本音は心の引き出しに仕舞っといてっと。



「いってきます」



「あぁ」


あたしは志貴先輩に背を向け、もと来た道を引き返す。


部屋の扉を閉めると、廊下。


夕方だし、少し人の出入りが多くなってくるよね。


さっさと済ませなきゃ。


ねぇはるるん。




───『金輪際、瑠菜とは会わないで』




あたしはさ、妹がいるけど。


会えないんだよ。もう会う資格も無いもないんだよ。


けど、はるるんは違うでしょ?


ただはるるんは妹ちゃんが羨ましかっただけでしょ?



はるるんを見たとき、即視感を感じた。




気のせいだ。と思って気には止めてなかったけど。


気のせいじゃなかった。


はるるんは、




「小学校の頃のあたしにそっくりだよ」




何をして欲しいか。


何を求めているのか。


何を思っているのか。


何を追いかけているのか。


嫌だと言うほど分かる。