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「志貴先輩成功です!」


あたしは隣の部屋で足を組ながら、ベットに座る彼に敬礼する。


ピンクの世界に一人だけ。


実にアブナイ組み合わせだ。


あぁマジでカッコいいね。うん。


「…お前、どうやって入った?」


ん?どーやって入ったっけ?


その答えはあたしじゃなくて、後ろに来た彼が答えた。


「不純異性行為は禁止されてます!悪を成敗いたすっ!…じゃなかったっけー?」


「晴…」


志貴先輩は不安げに彼を見た。


「志貴ごめんねー。心配かけてた感じー?」


「…かけ過ぎだバカ」


「ごめんってー」


これが男の友情ってヤツね!


いやー青春ねー。


あれじゃん!



次会うのは甲子園だ。

おう。地方大会なんかでくたばんなよ。

お前こそ。



的な!THE青春じゃね‼?


いやーまさか、男の熱い青春をこの目で見れるとは。


目からマジで富士山の水噴射だわこりゃ。


うん、まぁ美沙ちゃんの富士山情報は置いといてっと。



「…さて、はるるん。まだこれが最後じゃないよ?」


直したのははるるん女癖のみ。


「お母さんたちと仲直りしてこよう」


まだ大切なことが残ってる。


「美沙ちゃん、何でそこまで知ってんのー」


「ふふふ。美沙ちゃん情報網を侮るのではないよ」


もうホントにだ。


池山真奈美先輩はどうやって、こんなに情報をかき集めたんだろうか。


ある意味怖い。


「はるるんの家に行きましょーか」


そう言うとはるるんは意を固めたようにして、強く頷いた。


スマホを取り出して、時間を確認すると時間は5:50を表示されている。


ん?門限は?だって?


そこんところはノープログレームッ!


優季クンには了承済みだ。


「早く出ようよ」


なんかこのピンクワールドやだ。


「美沙ちゃんピュアーー」


「るさいよっはるるん!行きましょ!先輩!」


「何で腕を組むんだよ。暑苦しい」


「わー振り払うことないじゃんかっ」


「……………」


「美沙ちゃん振られてやんのー」


「もう慣れてますから!もう耐性出来てますから!」


「もう可哀想過ぎるんだけど」





この空気だ。この会話だ。


あたしが求めていたのは、この“いつも通り”だ。