時間が止まったような空気が流れる。
だって、うん。
変な子が部屋に入ってきたから。
…なんとも言えないタイミングで。
おととい振りの彼女だ。
バスタオル1枚を身に纏った彼女は扉付近で意味不明なことを言った女の子を睨む。
が、彼女を見た途端、一瞬だけ怯む。
そりゃ彼女の容姿が整いすぎているから。
怯むのは一瞬で、邪魔した彼女を睨んだ。
「貴方、誰よッ‼」
バスタオルだけの彼女は怒だけをメニュー映し、叫ぶように問う。
この子の本性はこれかー。
女の子って、裏合って怖い。
変人な彼女は冷静に俺達の状況を見て、顔色一つ変えず、どこかで見たことあるような日曜朝8時から見れる仮面ライダーのポーズを決める。
「ミサミサ軍美沙隊!58台目隊長、倉條美沙であるッ!!!!」
美沙ちゃんはそう、真顔で言ってみせたのである。
あぁもう何この子。
絶対、頭の病院に行った方がいいって。
行っても、末期ですとか言われそうだけど、一応行っといた方がいいって。
「朝霧晴を成敗しに来た!そこの遊女よ」
遊女って何なの。
ホントに頭がイカれてんじゃないの?
「あんたも成敗されたいの?」
彼女は妖しく笑ってみせた。
その表情は妖艶でおととい会った女を彷彿とさせた。
まぁ、その顔をされた俺に押し倒されている女の子は顔を真っ赤にして、そこら辺に置いてある制服を適当に着て、部屋を出ていく。
美沙ちゃんとスレ違うとき、目潰しをくりだそうとした彼女の作戦はあえなく失敗していた。