「……良かったな」


オメデトさん。
ホントにメデてーよ。お前はさ。


「……それだけか?」


懺悔とか言い訳とかあるなら聞くぜ!……なんて、強がるよな、オレも。



「……そんだけ!あーキンチョーした…」
「なんでだよ…」


いちおー聞き返す。
ダイゴが寄ってくる。それ以上、近づくな!


「ソウヤも、センパイのこと好きだと思ってたから…」


ギクリとする。
やっぱ近くにいると気付かれるもんなのか?


「でも違ったんだな。まりんと付き合うことにしたんなら…」
「……当たり前だろ…」


腹いせだってんだ。
それくらい理解しろよ。
…兄弟みたいに思ってんだろ。オレのこと。


「オレはまりんが好きなんだ。あいつもオレのこと好きって言うし、ソウシソウアイなんだよ、オレ達は!」


キスももうしたぜ…と宣言。
言わなくてもいい事言うよ、オレも。


「手ェー早っ!」


ダイゴが呆れる。ほっとけ!ってんだ。


「お前らはまだかよ。おっせーな!」


ガキ。
…オレの方がな。



何でも分かっちゃいる。
オレが間違ってる。
まりんを利用して、あいつの気持ちを、ないがしろにしてる。

それでも傷が癒せるなら利用したい。
エゴでもワガママでも、自分の為になるならーーーーー





「……河口君…」



屋上へ続く階段から下りてきた所を呼び止められた。