まりんが困った顔してる。
そんなマジに受け取らなくていいんだって。



『私……』


少しだけ赤かった顔が、さらに赤くなる。
ほっぺたがキレイなピンク色に染まってく…。



『…今はヤだけど……初めては……ソウヤとがいい……』


口ごもる。
自分で言っておきながら。



『バーカ!ムリしなくていいんだって!…』



こっちはそんな気、ねぇんだから。


『無理じゃないもん!本気だからっ!!』


今度はソッコー、イエスかよ。
訳分かんねぇな、オンナって奴は。



『……分かったよ。じゃあその気になったら言えよな…』


ヘンな約束。
やっぱ、ガキだよな…………



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昼休み。
ミドリの作った弁当持って教室を出る。

今朝は何事も無いように家を出た。
まりんのウソを緒方さんが信じて、自宅に何も連絡しなかったから。




「……話って何だよ」


こっちから話切り出した。
ダイゴに気遣われるのがイヤだから。


「ああ…実は、穂波センパイのことなんだけど…」


勿体ぶんな。ハラが立つ。


「あの土曜日の帰り…いきなり告られて…」
「へぇー…」


興味なさ気に聞く。


「ずっと好きだった…って言われて……オレも好きだったから……」
(だから何だよ!)


イライラ。早くしろよ!


「付き合うことにしたんだ……センパイと…」
「…そっ」


アッサリ答える。
それ以上オレに、なんて言えってんだ。