「…どこ行くの!学校は反対だって言ったでしょ!」
背を向けるオレにまりんが怒鳴る。
「学校なんて行ってられっかよ!…サボるんだよ!さ・ぼ・り!!」
知らん顔して踏み切りを渡りだした。
走ってくる足音。
ガシッと腕を捕まれた。
「なっ…!」
振り向く。
目の高さに頭がある。
「…一緒にサボる!」
強い口調で言った。
「はぁ⁉︎ 」
耳を疑う。
「ソウヤがサボるなら私もサボる!二人でサボれば…怖くない!!」
意味分かんねぇこと言いだす。
「お前…そんな事言っていーのかよ …⁉︎ 」
ダイゴの次に成績のいい奴。
バカなオレに付き合わなくてもいい…!と言い返した。
「今日はいいっ!ソウヤに付き合う!!」
断固離れないと言いだす。
離せと言ったり離れないと言ったり……オンナは訳が分かんねぇ。
「……勝手にしろ!…親や教師に怒られても、オレは知らねーから!」
駅に向かって歩き出す。
覚悟を決めたかのように付いてくる。
ほんの少しだけ、存在が有り難いーーーー
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「…どこ行くの?」
電車に乗って聞かれた。
「別に……決めてねぇ…」
ドアに凭れる。
まりんがラインを送る。
誰にか…なんて興味ない。
「…海行こうよ!」
燥ぐように言いだした。
「…なんでだよ…」
無愛想に返事。