「花(はな)、起きなさい、朝ごはんよ」


 私の名前は 一輪挿(いちりんざし) 花(はな) 高校二年生だ。


 30分前に目覚ましは止めてるというのに、私はまだベッドの中に居る。


 始業式からちょうど十日が経った今も尚、もう少し春休みを満喫したかったと思っている。


 春休みはおばあちゃんの家で従兄弟と遊んだり、友達の亜美の家でプチタコ焼きパーティーをしたり、したんだけども。



 「はぁい、お母さん、今から行く」


 私はあくびする。目をこすりながら階段を降りてリビングへ