三日後帰ってきたホセは優しく微笑して私を抱きしめた。

「クラウン不足…」

もがく私にホセはそういって辛かった、と笑う。

「ちょっと充電させろ…クラウン…」

何かあったんだろうか。

すっごく辛そう。

潰れてる。

「魔界で…ゼロさん達とワイワイガヤガヤやってたんだが、やっぱりクラウン不足だ」

ホセ曰く、2日目の夜が辛かったらしい。

あと一日も会えないなんて、と枕を涙で濡らしたって言ってたけど…

実際のところはどうなんだろう。

私としては、びしょぬれの枕に愕然としたゼロの顔がみたい。

ゼロは酷い隈が特徴の不健康な男でアンドロイド。

用はロボットで、実は元生身の人間。

結婚式の時に号泣してたけど…あのハンカチ酷いだろうなぁ…

たとえ涙でも体液には触れたくないな…

実はゼロには綺麗な女の人が惚れ込んでて、彼女の名前はロメ。

長身のモデルみたいな、ちょっとさばさばした感じの人。

ゼロが年をとらないからっていって、自分自身もゼロとおんなじようにロボットになってる。

っていっても、ゼロと違って半分くらい人間らしいんだけど。

「ロメさんはちゃんとアタックしてるんだ、でもゼロさんのせいでちっとも前にすすまない…」

ホセは意外に他人の色恋沙汰が大好きらしく、さも嬉しそうに私にそう話す。

「ゼロさん一応イケメンなんだけどな」

嘘だ。

あれが?

あれがイケメン?

背しか高くないじゃんかホセの男を見る目が無さすぎる!

…あ、無くていいのか。

逆にあったら駄目なのか。

「何ぶつぶつ言ってるんだクラウン?」

ううん、何もない。

ちょっと思ったの。

ウィング大丈夫かなぁ…って…


「おいアクアウィングの頭蓋骨砕けるまで殴れ」

ちょっと待ってホセ!?

ウィングが可哀想…

「アクア、やっぱり俺が殺るから逃げないように縛っとけ」

やめてあげてホセお願い!!

「了解しましたー♪」

アクアの馬鹿!

了解しないで!?

さすがに不憫すぎるよ~!?