「…相変わらず可愛い趣味をしていますね」
強制的にサングラスでつれ出された店でゼロさんが言った。
「そうですか?」
やっぱりキャラメルパフェにしようと、俺は店員さんをよんで、珈琲とキャラメルパフェを頼んで。
ちなみに店員は目を白黒させていた。
ゼロさんはモカを頼んで、俺にそう言ったのだ。
「ええ…ブラックの珈琲とキャラメルパフェを一緒に頼む人を始めて見ました」
「珈琲くらい飲める」
「そっちじゃありません」
俺は甘党なんだ。
キャンディー大好きなんだ。
「そうでしたね…」
ゼロさんが遠い目をした。
「それ、美味しいんですか?」
「美味しいから頼むんです」
「…まあそうですよね」
「食べますか?」
それじゃあ一口下さい、と俺がスプーンを置いた隙にゼロさんがソフトクリームを食べた。
間接キスだワーイなんて思うほど俺はゼロさんを意識していないのでニタリと笑ってやった。
「!?」
「ワーイひっかかったぁー♪」
「ちょ、水、水を下さいL君」
ウィングほどゼロさんをいじめたいとは思わない俺は、直接ソフトクリームを差し出して食べて下さい、と言った。
それでゼロさんはなんとかうまく辛さを押さえられたようだった。
「…何をしたんです…?」
「スプーンをすり替えました。口に入れると激辛スプレーが出てきます」
「いつすりかえたんです…」
「ずっと」
「ずっと!?」
そう、ウィングのピザもそうだが、自身もちゃんと激辛を食べていた。
「辛いのには強くて」
「…」
ゼロさんは信じられないようなものを見るような目で俺を見て、肩をすくめた。
「L君の伝説がまたひとつ増えましたね…」
返答が大人だった。
うう、子供じみた自分が恥ずかしい。
でもいいんだ、俺は一生ゼロさんに守られて生きていくから。
間近であのイケメンフェイスを見るから。
いいんだ、うん。
「L君、そんなに私の顔をまじまじと見つめないでくれませんか」
君はイケメンなのを忘れないで下さい、とゼロさんは微笑む。
「君を見ていると、母性がくすぐられるというか…守りたくなりますね、綺麗な顔ですよL君」
「嬉しいです」
「L君、ちょっとくらい照れても良くないですか?」
なるほどゼロさんは俺の照れた顔が見たいのか。
でも残念。
クラウンにしか見せたくない。
だって恥ずかしいから。
ゼロさんに赤面したところを見られると多分研究所中に広がってしまう。
当然ロメさんにもばれる。
それは避けなければ。
寝顔の時は大変だった。