そこに騒ぎを聞きつけたロメさんがやって来た。
よっしゃチャンス!
「ゼロさん頑張って下さい」
「頑張りません。彼女は君に会いに来たんです」
「いいえ絶対にゼロさんに会いに来た」
「…L君。君は優しいですがロメさんが迷惑なのでやめましょうね」
そんなことはないですゼロさん。
ロメさんとはきちんと同盟を結んでいるのだから!
「あ、ホセくーん。あっ!ゼロぉ♪」
見ろ、この反応の違いを!
例え数ヵ月ぶりだろうと数時間前に会ったゼロさんが勝つ。
いや、数分前かもしれないけど。
「ロメさん。328秒ぶりですね」
秒単位だった。
「ううん、327.6秒ぶり♪」
コンマ0.1秒まで数えてるんだ。
ロメさんもロメさんで非常に綺麗な人だ。
身長173でスタイル抜群。
スリーサイズを聞いたら怖い顔で脅されたから正確には分からないが、恐らく結構いい線いってる。
自分より大きい男がいないと言っていたけど大丈夫だ。
ゼロさんは身長189なのだから!
長身カップルだ!
まあでもそれを言うならクラウンだって165はある。
もちろんスタイルは言うまでもない。
俺も183.2はあるが、ゼロさん達には及ばない。
ちなみにだ、ウィングとアクアはチビチビカップル。
アクアは伸びてはいるが完全に手遅れで、恐らく150手前で止まる。
ウィングは168なのでクラウンといい勝負なのだ。
あれでプレイボーイができるのだから世も末だ…
ロメさん頑張れ!
ゼロさんも頑張れ!
「ゼロぉ、私のキモチに早く答えて?」
「…お気遣いありがとうございます。でもロメさん、私は恋愛はしません」
あーもうそんな顔で言うなイケメン。
切なそうな顔するな。
ロメさんは悪くないのに。
ゼロさん頑張って…!
「ねぇそんなコトいわないでゼロぉ…」
俺は好みじゃないけど可愛い。
ゼロさんそこで早く告れよ!
「ロメさん目を覚まして下さい。貴女にはもっと相応しい人がいます…」
お前は王子か!
奪え!
相手の気持ちなんか後付けで奪え!
「ゼロぉ…」
ロメさん頑張れこの王子様に火をつけろ!
やるときは多分できる人だから!
「あ、ロメさん」
ゼロさんは微笑んで、ロメさんの髪に手を伸ばした。
「…!」
「付いてましたよ…?」
かっこいい!
何で無自覚なんだろうこの人は。
かっこいいのに。
ナイトなのに。
プリンスなのに。
「あっ…ありがと…」
「どういたしまして、ロメさん。それと」
「えっ?」
「似合ってますが、あんまり危なっかしい靴をはかないで下さい。転んで怪我したらどうするんです」
これを天然で言うか!
ゼロさんの馬鹿。
ではと真っ赤になっているロメさんに手を振って、ゼロさんは俺に近づく。
「久しぶりにご飯でも食べましょうか、L君」
だからどうしてそれを俺に言うかなあ。