医務室の戸を開き、ホセは血相を変えてクラウンのいるベッドに走りよった。

「おい!?」

手首がすっぱり切れている。

ドクドク溢れ出す真っ赤な血を見て、頭が一瞬真っ白になった。

「っ…」

止血を慌てて施し、傷口をそっと消毒して、魔法で傷を消す。

意識が朦朧としているのか、焦点の合わない瞳でクラウンはじっとホセを見つめていた。

輸血用のパックを引っ張り出して点滴台を引き寄せて。

輸血処理を済ませるとホセはぐったりと額の汗を拭った。

ゆらゆら危なっかしげに揺れる体を引き寄せて、頭を預けさせる。

金色の髪がさらさらと揺れて首筋をくすぐって、ホセは顔をしかめた。

「…なに不安がってる」

呟いたその言葉は、クラウンには届かなかった。