まずは医務室だな。
とそういってホセは私を抱き上げる。
心配ないよ、大した怪我じゃないからと私は言ったけど、ホセは優しく笑って答えなかった。
実際傷は癒えていたし、ホセの魔法できれいに完治していたし。
誰もいないベッドに私を座らせ、ホセも隣に腰かける。
「クラウン、これでも俺は怒ってるんだからな」
え、と。
私が言うとホセはパチンと私の額を弾いた。
痛い。
「お前じゃなくアクアなら即平手だ。ウィングだったら硫酸ぶっかける所だぞ」
平手と硫酸の幅は広いと思う。
「何でこんなことした」
だって、と私は涙を堪えて言った。
ホセに、帰って来てほしかったんだもん。
なかなか帰って来ないから、寂しくて。
怪我とかしたら、神様も可哀想って思ってくれて、早く帰ってくるんじゃないかなって。
「…」
だから、帰って来てくれたんでしょ?
「馬鹿か」
せっかく帰ってきて早々彼女がこんなんなってたら、嫌に決まってる。
「誰に言われたんだよ、やれって」
誰にも言われてない、私が思っただけなの。
私はホセにそう言ったけど、ホセはちっとも信じてはくれなかった。
「…クラウン、部屋見せろよ」
私は行かないでって言ったんだけど。
そういって立ち上がって、いなくなってしまった。
追いかけようとして立ち上がれなかった。
だから私は。
ホセが帰って来ますようにと。
私は…