ゆっくりと沈んでいく太陽を見ながら、私はホセに頭を預けた。

ビクッと肩が揺れて、それでもホセは私を拒否はしなかった。

「なあ、クラウン」

綺麗だな。

うん、と私は言った。

ゆっくりと暮れていく、夕焼け。

夕焼け。


「クラウン、こっち向け」

私はホセを見て、そのキスを甘んじて受け入れる。

やがてすっかり日はくれて、私は星を見つめていた。

ホセは私を見て、じっと見て。

もう一度、確認するようなキス。

おやすみ、とそういって私をベッドに送ったホセは二回私の頭を撫でた。

「おやすみ、クラウン」

私はほどなく、眠りにつく。


ホセの紅いあの瞳を私が見ることは、もう二度とないと知っていたら。

私は、ホセを止めたのかな。


ううん、きっと止めないと思う。

私はだって、ホセが好きだから。

大好きだから…


ホセはどうだろう?

私が止めたら、止まってくれたの?

それを私が知ることはきっと永遠にないんだろうけど。

だってそのときのホセはそのときにしかいなかったから。