何がともあれ、私はお風呂に入りたいので寝ているホセをほかっといて脱衣所へ。

と、そこでふと不安になった。

起きたとき私がいなかったら絶対動揺するよね。

大丈夫な気が全然しない。

よって私はルームウェアを脱ぎ捨ててゆらゆらホセを揺らす。

ホセ~?

私お風呂入るよ~?

「ん…」

とホセが半目で私を見る。

「ウギャ!?」

あれ、どしたの?

十字架装備してたっけ、私。

「なんのサービスだ…服を、服を着ろクラウン…」

だって今からお風呂に…

「お前は俺をなんだと思ってるんだ。俺は男なんだが…」

知ってるよ?

「…ふざけるな天然。養殖のくせに」

…?

「下着姿の彼女を見てどこの世界の吸血鬼が我慢できると…!惜しげもなくさらしやがって怒るぞクラウン!」

もうすでに怒ってるし。

別に裸じゃないしいい気がする…ホセって紳士。

「襲われたいのか馬鹿!誰が紳士だここは可愛く平手の場面だよ!」

そこまで言ってホセはまさか、とにっこり笑った。

「…ウィングは…ウィングは見てないよな?」

何を?


ホセは頭を抱えて養殖天然、と呟いた。

養殖だったら天然じゃないでしょ。

というか。

ホセは下着くらいで動揺するの?

「…くらいで?くらいでって言ったかお前…」

下着と水着って柄しか違わなくない?

生地もだけど。

「何が悲しくて俺はお前と下着の話をしなくちゃいけないんだ…?」

じゃあ、私お風呂入るよ。

そういって私はホセに背を向け歩き出した。

と。

「…お前の度胸を試してやるよ可愛いクラウン…」

え。

何これ恐い。