「…なるほど」

ウィングがため息交じりに言った。

「成長してないなぁ…」

その言葉には反論せざるを得ないけど、一部正しい気がしないでもない。

どうしよう、と私が言うとウィングは肩をすくめてどうしてもって言うなら出す、と言う。

「あいつが全く成長してなかったら出てこないけどな」

それは正直なところ結構微妙なのだけど、私は思いきって頼んでみた。

「おい馬鹿ホセ!てめえ隠れてないで出てこい!卑怯だ!今すぐ罪を償えこのやろー!」

果たして、ホセはヒョコッと出てきた。

…複雑…。

「全然成長してないなぁ…あは、あははは」

「…クラウン」

ホセは死人のような濁った瞳で私を見て、呟いた。

「…辛い」

そしてホセはフッと意識を失ってパッタリ倒れた。


「っと」

ウィングが上手く受け止めて、ホセを担ぐ。

「馬鹿なとこはかわんねーけど成長したな」

種から芽が出た感動ってやつ?

と冗談っぽくそういって私を見返す。

「とりあえずお前の部屋運んどくか」

うん、とそういって私はそう言えば、とウィングに聞き返す。

三人の子供たちはどうしたの?

「…あーと、叔父さんが到底見せられた状態じゃないんじゃないのかと思って…さ」

叔父さんか、と私はホセのぐったりした体を見た。

うーん、微妙。

「俺の大事な義兄さんだからちゃんと世話するよ」

義兄さんか…

ということは。

ねぇウィング。

「ん?何?」

将来私のこと義姉さんって呼ぶんでしょ?

「…その台詞、ここのぐったりしてるやつに言え」

え?

何で?