チュンチュン…チチチッ…
爽やかな朝に、鳥の囀りで目を覚ます……
なんて乙女チックな目覚めではなく、寧ろ最悪の目覚めとなった。
「し、七時半……?!」
目覚まし時計が鳴り、時間を確認しようと顔を近づけると何とも信じがたい状況に数秒間放心状態になりつつあった。
今日から私、春風飛鳥は高校1年生となるのだが…
入学式まで後、30分。
しまった……寝過ごした………。
そんな思考とは裏腹に時間は刻一刻と入学式に近づいている。
「…っだあぁあぁああぁぁああ!!!!考えるの後!!先に準備して早く行かなきゃ!!!!」
髪の毛をぐしゃぐしゃと掻き乱し、頭を整理させる。
とにかく、早く制服に着替えねば…。
バタバタと階段を駆け下りる。
「ちょっと母さん!!何で起こしてくれなかったのさ!!!!」
丁度、味噌汁を継いでいた母さんに文句を言いつける。
自分の娘が入学式早々遅刻なんて事あって良いと言うのか。
いや、あってはいけない。
「何言ってんのよ。何回も起こしたわよ!それなのに、アンタって子は 後五分…の繰り返し!!!!全く、自業自得でしょ!!」
「だからってそのまま放置とか酷い!!初日から遅刻とかシャレになんないよ!!」
「アンタが起きないのがいけないのよ!!」
ピンポーン…
あ、もう来ちゃったか……。