「この暑さはいじめだよ…」
「今年もやってきました!アイスが美味しく食べられる日が!」
「だねだね!帰りに駅前のアイスクリーム屋さん行こっか!」

4時間目が終わり、昼休みを前にした教室はまるで動物園のようだ。
楽しそうに話す遥と欄に妃愛も大きくうなずく。
「私もいきたーい!」
「よっしゃー!妃愛も参加だね!」
満面の笑みをみせる欄の隣で遥も笑顔をみせる。
なんだかんだでもうすぐ夏休みだ。
妃愛達3年生にとってはとても特別な時間だ。
自分の進路に向けて頑張らないといけない。

「今日は外でお昼食べよーよ!」
「わーい!ピクニックだ!」

ふと気付くと妃愛の周りに欄と遥が集まっていた。
妃愛も慌てて立ち上がる。
「いいね!木陰で食べようか」
欄が大きくうなずく。
「木陰で食べないと髪の毛チリチリだあー!」