あれだけ楽しみにしてたんだもん。

あたし知ってるよ?

美生が今日のために毎晩寝ないで一生懸命衣装作ってたこと。

目の下にいつもクマできてたよね。

それがこんなことになっちゃうなんて……。


「ごめ、陽毬……私一人で周るね!」

「美生!!」


教室から飛び出した美生の目には涙がたまっていて。

クラスのみんなはなにごとかとざわめき始める。

…………ダメ。

絶対ダメだよこんなの。