掴まれていた腕をはずされる。


「ちっ、なんだよ男かよ!行くぞ」


男の人たちは人ごみの中に消えていった。


「大丈夫か?」

「あ、ありがとう……。南野」


助けてくれたのは、南野。

安心して涙が出てきそうになった。


「ったく、あいつ。なに彼女ほったらかしにしてんの?」


あいつっていうのは多分大河のことかな。


「はい、携帯。一応壊れてはないから」

「ん。ありがと」